虫垂炎とは
盲腸の後内側から垂れ下がっている部分のことを虫垂と呼びます。この虫垂で化膿性の炎症が起きた状態が虫垂炎です。吐き気や突発的な腹痛などの症状が現れます。
虫垂炎の症状
虫垂炎では下記のような症状が現れます。
- 突発的な腹痛
- 右下腹部のつるような痛み
- お腹の張り
- 吐き気
- 食欲の低下
- 発熱 など
虫垂炎の原因
虫垂炎の原因は完全には解明されていませんが、飲み込んだ植物の種や便などが虫垂に侵入し、細菌感染が起きることで発症すると考えられています。また、非常に稀ですが腫瘍が虫垂を挟む、塞ぐことが原因となるケースも報告されています。
虫垂炎の検査
問診で痛みが発生している場所を確認し、触診を行います。触診では右下腹部を押して、痛み具合などを観察します。
また、腹部エコー検査やレントゲン検査、血液検査などを行い、それらの検査結果をもとに診断します。ご不安な方は、当院へお越しください。小諸駅から徒歩3分でご来院いただけます。
診断で重要な点
お腹の右下部分に痛みがあるかを確認した後、筋性防御(腹壁が緊張し硬くなり、外部から触れられる状態)が起きているかを確認します。
その後、押すと激しく痛んだり、押してパッと離した時に痛みを感じたりする症状があるかを確認することで、ある程度の診断が可能です。症状の度合いによって軽症か重症かもある程度判断ができるため、緊急の治療が必要と判断された場合は近隣の基幹病院へお繋ぎし、CT検査や血液検査を行い、確定診断へと繋げます。
虫垂炎の治療
症状が軽度の場合、抗生物質などを投与する薬物療法を行います。
ただし、腹膜炎の疑いがあるケースでは手術が必要になります。
虫垂炎に関するよくある質問
虫垂とはどこのことでしょうか?
大腸の一部であり、盲腸から垂れ下がっている袋状の小さな臓器です。
盲腸と虫垂炎は別の病気ですか?
同じ病気です。一般的に盲腸と呼ばれていますが、盲腸は虫垂の根本にある大腸の一部の臓器の名称であり、正式な病名は虫垂炎です。
虫垂炎と誤解されやすい疾患はありますか?
盲腸の周辺にある憩室で炎症が起きる「大腸憩室症・憩室炎」は、虫垂炎と間違われやすい疾患です。炎症による痛みが起こると、虫垂炎と区別がつきにくくなります。その場合は近隣の基幹病院へお繋ぎし、CT検査を受けていただきます。
虫垂炎になりやすいのはどのような人でしょうか?
一般的には10~20代の若い世代の方が多いと言われている疾患ですが、どの年齢層の方でも発症するリスクはありますので、年齢に関係なく注意が必要です。
虫垂炎はどうすれば防ぐことができますか?
虫垂炎の原因は未だ完全に解明されておらず、確実な予防方法は申し上げられません。しかし、虫垂炎の原因として有力な説の1つに「固まった便(糞石)が虫垂を塞いでしまうこと」がありますので、普段の食生活で食物繊維を意識して摂取すれば、虫垂炎のリスクを軽減できるのではないか、と考えられています。
このページの監修者
髙橋 政義 Masayoshi Takahashi
医療法人社団 慈圭会 髙橋内科医院 院長
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本肝臓学会専門医
- がん治療認定医
- 日本医師会認定産業医